「財界首相」にあたる、日本経団連の次期会長に米倉弘昌・住友化学会長(72)が内定した、と各紙が報じた。5月の定時総会で正式決定する。
米倉氏は経団連副会長の経験はあるものの、旧財閥系から会長が誕生するのはこれがはじめてのケースとなる。それは、会長が経済界の利害関係を調整する役割を持っているために、独立した企業である方が望ましいという慣例からだった。
当初有力視されていたのは、パナソニック中村氏、東芝西田氏。ただし、政権との距離感を取る目的とともに、日本の産業界全体が海外進出しなければ生き残ることができないという喫緊の課題に対応するには「国際通の米倉氏を担ぎ出す他になかったというのが実情」(関係者)だという。
米倉氏は、住友化学入社後は、一貫して海外畑を歩んできた。サウジアラビアとの石油プラントの合弁事業をはじめとして実績がある。今の財界首相に求められるものは旧来型の調整力ではなく「財界首相兼外相」ということになるようだ。