上がっている株は理由を考える
一口に『売り』と言ってはみたところで、リスクの高さは現物株とは比べ物にならない。しかも、誰もが三村氏のようなスーパートレーダーでもなく、何億円と資金をつぎ込めるわけでもない。だが、押さえておくべきポイントは存在する。それを理解することが、勝てる投資家になる第一歩。三村氏にある企業を例に解説してもらおう。
フタバ産業のチャート(出典:ヤフーファイナンス)
「チャートだけを見れば右肩上がりで来ていますが、この企業(フタバ産業)は過去に粉飾決算が発覚して、株価が大暴落しました。そこから株価は上げてきているます。プリウス向けの受注が好調みたいで上方修正は結構濃厚だと思うのですが、それを踏まえてもちょっと反発し過ぎでは?」
チャートを参照すれば、株価はすでに2倍以上になっている。2009年3月期の売上は約3900億円、2010年3月期の売上予想は3500億円。営業利益、経常利益、純利益ともすべて赤字予想だ。
今期や来期の業績予想で大きな成長が見られないのに、株価だけが上がっていく。言い換えれば、上がっている株はまず疑ってかかるくらいの方が良さそうだ。三村氏は、なぜ上がっているのかという内容を吟味。相場全体の雰囲気や出来高、過去の動きなども考慮したりしてトータルで判断するようにしているという。
次回は2010年の相場について聞く。(つづく)
三村氏の2010年の相場予想