【(3)ザ・パーク・レジデンシィズ・アット・ザ・リッツ・カールトン東京】 5つ星ホテルのホスピタリティとサービスが最大の魅力
ミッドタウンの中で最も敷居が高いのが、5つ星ホテルのリッツカールトンが運営する「ザ・パーク・レジデンシィズ・アット・ザ・リッツ・カールトン東京」です。
一番の特徴は、やはりホテルと同クオリティのサービス。エントランスのドアマンの数も多く、室内の電話から外出前に連絡すれば、駐車場から車を出してお出迎えしてくれます。もちろん帰宅時も、車はエントランスで乗り捨てOKです。
コンシェルジェは24時間対応。キッチンやトイレなど様々な場所にあるコンシェルジェボタンを押せば、すぐに部屋まで飛んできてくれます。リッツカールトンのシェフが作るケータリングサービスも好評です。
家賃約200万円・約200平米、メゾネットタイプの部屋に住む会社経営者Yさん(40代)。彼は六本木ヒルズレジデンスから、リッツカールトンへ引っ越してきました。
「ヒルズでは家賃80万円くらいでD棟に住んでいたのですが、不動産屋からこちらに空きがあると聞いて即決しました。入会審査が厳しいし、年配の方やファミリーが多いから、大人は一番落ち着いて住めると思います。外国の富裕層の方も多くいらっしゃいますね。」(Yさん)
部屋はクラシカルなファミリータイプが多く、エントランスもホテルのようで、正統派かつ大人の雰囲気。パーティーもほかのレジデンスと比べれば、あまり開催されません。Yさんによると、少し人を呼び過ぎてにぎやかになっただけで、クレームがくることもあるそうです。
「特権意識過剰、と言ってはあれですけど(笑)若干クレーマーっぽい人はいますね。住人も多いので楽器演奏などはまず無理です。あとエントランスが広すぎて、部屋までたどり着くのに時間がかかり、お客さんが迷うこともしばしばです。」(Yさん)
広すぎてお客さんが迷う、それこそが豪邸の醍醐味?という気もしますが、確かに毎回だと大変かもしれません。
また、ホテル直営ならではのエピソードもあります。
「嬉しいのは、ホテルのレストランに行くとスタッフが名前で呼んでくれることですね。レジデンスの住人の顔と名前を把握しているんです。その日の気分によりますが、僕は朝食をよくリッツのレストランで食べています。徒歩数十秒ですし。」(Yさん)
リッツカールトンのレストランを自宅キッチンのように使えるなんて、ほかのレジデンスにはない特権です。やはり5つ星ホテルの最上級のホスピタリティとサービスが、このレジデンスの最大の魅力と言えるでしょう。
【リッツカールトン】
GOOD!
・入居審査基準が一番厳しいので安心
・年齢層は高めでクラシックな雰囲気
・リッツカールトンホテルと同等のサービス
BAD?
・特権意識過剰なクレーマー住人もいる
・エントランスが広すぎ、部屋まで時間がかかる
レジデンスの良し悪しは、住人の家族構成と生活スタイル次第
一見、違いがよくわからない3つの超高級賃貸マンション。しかしこうして比較してみると、年齢層、雰囲気、ハード面、サービスなどがそれぞれ異なることがわかります。間取りや内装重視ならヒルズ、ビジネス最優先ならミッドタウン、ファミリーで落ち着いて住みたいならリッツカールトン……など。住む方の生活スタイルや家族構成によってどの住居が最適かは変わるので、一概に「このレジデンスが一番いい!」とは断定できません。結局は、好みの問題と言えそうです。
取材をしていて、意外だった点があります。それは、すでに素晴らしい部屋に住んでいるのに「次はどこに引っ越すか考え中」もしくは「今度はあの高級マンションを狙っている」という方が多いこと。1年~2年くらいで高級賃貸マンション間の引越しを繰り返している方もいます。常に最先端の場所にいることを重視し、同じところに留まることを嫌う。それは彼ら富裕層の終わりなき向上心の表れなのかもしれません。