やはりデイトレーダーは厳しい
「(ヘッジファンドなどの機関投資家による)アルゴリズムのトレードが出てくると、デイトレーダーではきついでしょうね。僕は今、トレードの材料にはしないので板は見ていませんね。見ても参考にする程度です」
三村氏は現在、板を見てのデイトレードはしていないという。発言の中に出てきたアルゴリズムトレードとは特定のロジックによって組まれたプログラムによってトレードするシステム。今では、米NY証券取引所のトレードの約50%を占めるとも言われるまでになっている。また、米証券取引委員会が問題視しているハイフリークエンシートレーディング(HFT)と呼ばれる超高速取引も存在し、個人投資家が太刀打ちすることは困難だとも言われている。
「もしもですけど、4、5年前にアローヘッドが導入されていたら、僕もやっていたかもしれません。ジェイコム(株誤発注)が今では懐かしく思えてきますね」
ジェイコム事件とは、2005年12月にみずほ証券がジェイコム株の値段と株数を逆に入力し注文したために起きた。これがアローヘッドならば特別気配という形になり約定はしなかった可能性はある。だが、当時であれば、この異常な動きに気が付いたトレーダーは逆にチャンスに変えてしまう。そうした投資家同士の戦いや駆け引きは完全に消えてしまうことになる。
このように、相場も生き物で時代とともに確実に変化している。しかし、三村氏も進化を繰り返し、資産はもうすぐ10億円に届きそうなところまで来た。やはり、個人投資家も機関投資家に交じって勝ち抜くためには、日々進化していかなくてはならないことは言うまでもない。(終わり)