キリンホールディングス、サントリーホールディングス両社は8日、経営統合に向けての交渉を、終了すると発表した。お互いの企業風土の違いを埋めきれなかった模様だ。
キリンは、公開会社として経営していくことを前提に考えていたが、この点でサントリーとの間で認識の相違があったとしている。また、サントリーも「統合比率をはじめ、キリン社との間に認識の相違があるとしている。
上場企業のキリン。非上場で創業家が大株主のサントリー。当初から懸念された点が最後までつきまとった。経営統合比率について、サントリーは当初から3分の1
超の株式保有を要求。今年に入り、一時はキリン側も妥協したとの報道も出たが、最終的には話は流れてしまった。
キリン、サントリー両社にとっては、企業風土を除いては理想のマッチングだった。ビールのシェアでアサヒビールとの熾烈な戦いを終わらせたり、洋酒部門を補ったりするなど、ペプシコレベルの売上を誇る世界的な企業になる絶好の機会を失った。
一般論として、サントリーのような非上場企業の場合、自社の価値を高く算定する傾向にある。サントリー側は最後まで「1対0.9」の統合比率を主張してきた。また、医薬品事業から撤退した経験を持つサントリーは、キリンに対して協和発酵の売却も求めるなど、折り合うことはなかった。
この日の株式市場でキリン株は、発表受けて、途中100円以上の下げに見舞われた。