中国富裕層の米国移住が増大する理由

 アメリカに移住する中国人富裕層が増えている。以前は技術者が中心だったが、今は多くが資本投資によって永住権(グリーンカード)を取得した人々だという。その背景には、経済の発展だけでなく、アメリカ政府の方針転換もあるようだ。

 葉旭(よう・きょく)氏は上海で農産物を扱う貿易商。葉氏の商売は東南アジア、アフリカ、南米と広範囲に及ぶ。近くアメリカも訪れる予定だが、その目的は投資移民について弁護士と面会し、その可能性を探ることだという。

 現在、中国国内の富裕層の間では、アメリカへの投資移民の話題が必ず出るという。金では手に入らないと思っていた永住権が、50万ドル~100万ドルで手にできるようになったからだ。

 現在アメリカでは、事業家や投資家、資産家を受け入れるために施行された投資移民プログラムがあり、100万ドル以上(失業率の高い投資地域には50万ドル以上)の事業投資を行うことや、フルタイムの雇用を生み出すことなどを条件に、永住権の取得を認めている。

 アメリカ移民局が昨年12月に発表したデータによると、2008年10月1日から2009年12月までに投資移民を対象にした「I-526」による認可期間2年の永住権の申請者数1028件のうち、批准は966件、拒絶は163件、批准率は94%で過去最高だった。2008年の投資移民総数は1443人から4218人と3倍以上に増加するなど、今後も大幅に増えそうだ。

 南カルフォルニアでは、2007年のアメリカの投資地域は30カ所で失業率の高いへき地が中心だったが、金融危機後、政府はその数を80カ所に増やし、アメリカ全土に拡大した。これは、あからさまに中国の富裕層を獲得したいとの意思の表れでもある。また、今は申請者に犯罪記録がなく、テロ活動などの恐れがなければ、基本的に受け入れられるのだという。

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