1つは、権力と資本に頼って他企業の参入を阻止し、独占経営を行っている人。2つ目は、グレーな収入(不法収入や、入手ルートが不明な収入)がある者、3つ目は、資源の採掘など独占経営している人。「富裕層の中で、勤労で富を手にした人は30%にも満たない」と同氏いう。
また、英国人ジャーナリスト、ルパート・フーゲワーフ氏によると、中国人富裕層は、社会的な責任感に乏しく、慈善活動に関心のある人は非常に少ないということだ。北京の融資会社副社長も、「彼らに信仰心はありません、信じるのは金のみ」と断言する。
中国社会の構造を見た時、依然、貧しい人々が多数を占め、ほんの一部の人たちに富が集まっているという現状だ。浙江省社会科学院の楊建華(よう けんか)教授は、「こうした社会構造はとても危険で、不安定だ」と指摘する。
アメリカでは、慈善事業に配分する人は、政治に資産を使う人も出てきているという。巨万の富を手に入れた中国の富裕層が、今後どういった方向に進むのか。そのあり方が今、問われているといえそうだ。