ここ数年の韓国選手の活躍には目を見張るものがあります。以前は中国、韓国とも冬季オリンピックには選手をほとんど送りこめないレベルだったからです。国がメダル獲得を目指して本腰をあげるといかに大きな成果が得られるか。まさに実証しているのです。フィギア人口も日本に比較して格段に少ない韓国、ウインタースポーツも日本に比較してはるかに立ち遅れています。残念ながら、2月27日現在、日本の金メダル獲得数はゼロです。
帰国後、オリンピックの情報がかなりいい加減だったりスポーツを理解していない方々の歪んだ意見がかなり浸透している気がしました。まず、マスコミの煽りが度を超えていること、韓国や中国がどうして強くなったか……理解したりしっかり報道されていないこと。
これまで私自身、多くのオリンピック日本代表アスリート、メダリストたちとかかわってきて彼らが伝えたり現状を訴えても、全く上へ伝わっていないことが気がかりです。
トリノ五輪前、個人でボブスレーチームをサポートしたことがありました。さかえクリニック陸上競技部の選手と、今回バンクーバーへ出場されたパイロットを務められた鈴木選手への部分サポートです。
ワールドカップ日本代表選手のトレーニング指導、ケアそして遠征費用のサポート。 チームは2人乗りで日本選手権に優勝しました。
ワールドカップはボブスレー協会から半額の遠征費用が出て、残り半額は自己負担。数か月に及ぶ世界の転戦は莫大な費用ばかりか生活費用も必要です。ヨーロッパチームはスイス銀行など超メジャー企業が全面バックアップ。
イタリアチームのボブスレー艇はフェラーリが開発協力、ドイツチームはBMWが開発、米国チームはNASCARの特別技術導入。大企業がバックアップして莫大な開発費用をかけています。数千万円を超える艇と10年も前のドイツ製のお下がり艇ではオリンピックを闘うこと自体無理といえます。氷上のF1に中古の一般車両がワークスの最新レーシングマシーンに対抗するのです。結果は目に見えていますね。予想通り20位以下。
頑張れニッポン!メダルを目指せ!!と口を出すくらいなら自分たちの生活費用や遠征費用を出してくれと! 多くのアスリートたちは訴えました。
確かに税金を投入して日本代表として諸外国のアスリートと闘うには制限が必要ですが、メダル、メダルとすでに多くの部分で韓国や中国にさえ遅れを取っている日本のメディアが伝えることはもっと他にあるでしょう。
これまで個人でオリンピック選手育成やサポート、プライベートトレーニング、スポンサリングなどを担当させていただきましたが限界です。
個人ではほとんど何もできないことを思い知らされました。誘致活動の莫大な税金投入を選手強化に充てていれば結果は違ったものとなったでしょう。
多くの方が、オリンピック選手たちの真の現状に気がつかれ、日本スポーツ界が良い方向へ向かい、私たちに多くの勇気を与えていただけることを心から願っております。
私が観戦参加させていただき感じたバンクーバーオリンピック。日の丸を背負ったアスリートに今一度、大きなエールを送りたいと思います。ニッポン!!