チャイナドリームで富を手にした中国の一人っ子たち

 マッキンゼーアンドカンパニーの最新調査によると、2008年中国の富裕家庭はおよそ160万世帯。GDPの伸び率を考えると、その数は5年から7年のうちに16%増え、2015年には400万世帯に上るとされる。

 一方、年齢層を見てみると中国の富裕消費者の平均年齢は低く、アメリカの富裕家庭よりほぼ20歳、日本と比べてもとても低い。例えば、中国では富裕層グループのうち45歳以下が80%を占めるが、アメリカでは30%、日本ではわずか19%だ。

 この中国・富裕層の平均年齢を下げているのは、主に「80後」と呼ばれる世代かもしれない。これは中国で、1980年代生まれの人をさす言葉。この世代は、一人っ子政策の中で、「小皇帝」などと呼ばれ、わがまま・自己中心的と言われることも多いが、一方、特にネット業界で優れた才能と旺盛なベンチャー精神をもって企業を起こし成功を遂げた人が数多く出ていて、“チャイナドリーム”を代表する世代としても注目を集めている。

 去年6月、中国校友会ネットと、21世紀人材報連合は、大学在学中に起業した若手企業家の富豪ランキングを発表した。上位10人の資産総額は、合計およそ26億元(約338億円)にのぼり、8割がネット関連事業を手掛けていた。このうち、ランキング1位の金津(きん・つ)氏の資産はその約3分の1を占め、10億元(約130億円)だった。

 では、金氏とはどういう人物なのか?

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