「中国のハワイ」海南島に23年ぶりのバブル

 日本がバブル景気を謳歌していた頃の1988年、海南島は全島が経済特区に指定され、開発への期待から、不動産価格が急騰。その後、景気が一気に冷え込み、銀行が倒産するなどの深刻な事態になった手痛い失敗の経験がある。

 まさか忘れていたのだろうか。海南島の国際リゾート計画は、負の影響を多く作り出してしまった。実需とはかけ離れた不動産の急騰を引き起こし、政府がバブルに対して調整能力がないことを露呈させたことになる。

 マンションの売れ行きが落ちて、しかも観光客が減っているという現状は投資家が海南島に不安を抱いている証拠でもある。一方、リゾート開発の加速を中国政府が指示した背景には、南シナ海での制空権や制海権の確立を狙い、軍事拠点として海南島のインフラ整備を進める為ではないかとの見方も一部ではある。

 いずれにせよ、今後、不動産バブルに沸いた海南島がどうなっていくのか目が離せない。

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