「東風(こち)吹かば 匂い起こせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」
この句は、菅原道真公が無実の罪で太宰府へ送られる時に、大切にしていました庭の梅の木に向けて詠んだ歌と言われています。
北野天満宮は、都への強い望郷の念を持ったまま亡くなりました。道真公の鎮魂のために、平安時代中期に建立されました。
道真公は、「和魂漢才」の精神をもって学問に励まれ、幼少の頃よりとりわけ文才に優れていらっしゃいましたので、「学問の神様」としてお祀りされ、受験の頃には 祈願に訪れる人々で賑わいます。
境内には、天神様(道真公)のお使いとされます臥牛の像がいくつも置かれています。頭を撫でると学力がアップすると言われ、また受験祈願が叶った人が 御礼のメッセージをこめてお供えをされています。
こちらは、可愛らしい赤ちゃん連れの牛です。
また神社の建物は、大陸文化の影響が強いためか、色鮮やかでエキゾチックな意匠が美しいものです。
北野神社本殿
北野神社塀
今は、境内に1,500本あるといわれる梅の木々がほぼ満開で、上品で爽やかな 梅の香に包まれています。
ほとんどの木は古木で、幹にびっしりと苔や草がはえています。
つがいのメジロが枝から枝へ飛び回り、周囲の人々からも笑顔がこぼれていました。よく動きますので、うまく撮れませんでしたが……。
ところで、こちらは 北野名物「粟餅」です。
ふつうは漉し餡のものとセットになっていますが、私はきな粉が大好きですので、お店の方にお願いしまして、きな粉のみで詰めていただきます。
美しい梅を眺め、香りを楽しみ、学力をアップさせて、美味しいあわ餅で一服……みな様も、ぜひ北野の春へ、足をお運びくださいませ。