「セリーヌ」ていつからこんなカッコ良かったっけ?

バイヤーが殺到した
 結果は「先シーズンを上回る出来映え」と大絶賛。批評家たちは、「女性目線で作ったクールで着心地のよい、美しいコレクション」「彼女のファッション眼には、一分の狂いもない」「21世紀に生きる、女性による女性のためのファッション」などと、不況にあえぐファッション界に新たな風を吹き込んだ才能に拍手喝采を送ったのだ。ネイビーブルー、キャメルカラー、アイボリー、ブラックなどを中心とした上品な色使いは、来る秋冬ファッションの鍵となること間違いなしだろう。

 実際、バーニーズやサックス・フィフス・アベニューなどのデパートからは、バイイングが殺到しているという。バイヤー自身も着たいと思わせる“ウェアラブル”な服—これこそがフィービーさんの持つ時代感覚だ。

 フィービーさんは、1973年生まれの英国人。01年に「クロエ」のデザイナーに就任し、同ブランドを世界のトップブランドに押し上げた(“パディントン・バッグ”は世界的に品切れ続出した大ヒット品)。

 「子供との時間を大切にしたい」として、06年にクロエを離れていた。セリーヌを保有するLVMHグループによる熱烈なラブコールで、08年にセリーヌと契約。LVMHは、フィービーさんのデビューコレクション前にすべての旧デザインを店頭から処分するなど、徹底した再建策をとった。また、貢献度の低い旧いスタッフも入れ替えるなどしたともいう。

 こうした大規模な外科手術が功を奏した格好だ。日本でも、もう「あぁ、あのオバサンのね?」という人はいなくなるだろう。

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