米下院本会議は21日、国民皆保険制度を目指す医療保険改革法案を賛成多数で可決した。財源として、富裕層に対する増税などが充てられる模様で、219対212という僅差が、世論を二分していることを物語る。
米国は国民皆保険制度がなく、無保険状態の国民が4000万人以上に達しており、オバマ政権が国内の最重点政策に掲げていた。ただし、大統領選で富裕層減税の打ち切りを公約として宣言。コスト削減などと合わせて6000億ドル以上をねん出するとされている。
今後は富裕層への増税、企業への負担増という方針が出されており、それが過半数をわずか3票だけ上回る接戦となった。また、与党民主党からも反対票が出たほど。
結果的に富裕層の足を引っ張ることになるのか。どのような形で富裕層増税がなされるのか。国民皆保険制度と同様に米国にとって大切な決定でもある。