テイラー・ルールに従っていれば金融危機はなかった?
実際に即した政策金利の誘導目標を求める公式「テイラー・ルール」を提唱するなど、卓越した見識で、元米財務次官(2001~2005年)を務め、9・11同時多発テロ以降は米国の金融政策を取り仕切った。現在は、スタンフォード大学の教授であるジョン・B・テイラー氏がこのたび来日し、東京都内で「脱デフレ処方箋」と題して講演を行った。
まず、テイラー・ルールの公式は、次のようになる。
「FFレート=現実のインフレ率+実質金利2%+(現実のインフレ率-目的のインフレ率2%)÷2+(現実のGDP-潜在成長率)÷2」
この公式に当てはめることによって、実勢に即したFFレートが算出される。テイラー教授によると、この計算式で米国は「0」。日本は「マイナス6」になるのだという。
◆以下テイラー氏の話
ただ、最近になって乖離(FFレート、GDP)してきているように見えます。住宅バブルが終わって金融危機が来ましたが、もしもテイラー・ルールに従っていればどうだったでしょうか。テイラー・ルールで金利を設定していれば、ブームも小さかったでしょうけど、下落も小さかったのではないでしょうか。
他の国にも住宅バブルはありました。アイルランド、スペイン、ギリシア…。金融政策はうまくいっていなかったんでしょうか。信じられないようなダメージを受けています。
日本も大きなリセッションに入っていますね。もっと、量的緩和をすべきではないでしょうか。
※図は、テイラー・ルールによるFFレートの誘導(macroblogより)