日本は財政政策をやめて金融政策をやれ(テイラー元財務次官)

米国の量的緩和の失敗?

 長期のデフレが続いている現在の日本と違い、米国FRBは量的緩和を積極的という以上に行っている。ただし、これも良い点と悪い点が存在する。この金融政策による効果と問題点はどうなのか。

 ◆以下テイラー氏の話


ジョン・B・テイラー氏
 量的緩和について語らなければなりませんが、米国はここにきて通貨供給量を以前の2倍以上に増やしています。2008年9月には80億ドルだったのが、1兆2000億ドルになりました。

 銀行にローンを貸し付けたり、ミューチュアルファンドを救済したり、また、AIGやベア&スターンズはFRBのマネタイズで救われましたね。他にも、FRBはMBS(モーゲージ証券)を買っています。今は1兆ドル規模ですが、それはまだ続いているようですね。もうすぐ終わってほしいものですが。

 MBSを今後どのくらい買うのか。その出口をどうするのか、色々と考えなければなりません。財政赤字の埋め合わせのために、マネタイズしていいものかどうか。日米ともに考えなければなりません。日本は長い間、財政赤字があります。しかし米国では、このまま行くと、2050年には対GDP比率が700%くらいになるでしょう。また、失業率も高くなっています。

 出口を探るのは難しいですが、政策を考えていくべきです。

1 2 3
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる