日本は財政政策をやめて金融政策をやれ(テイラー元財務次官)

インフレ率0%ならデフレも悪くはない

 日銀は先日、白川方明総裁が資金供給規模の拡大を発表したばかり。量的緩和に舵を取り始めたとも解釈することができる。この点を含めてテイラー教授は、今後の日本についてどのように考えているのか。

◆以下テイラー氏の話

 (デフレ対策のためには)金融政策がベストなのは明らかです。財政政策は役に立たないかもしれませんし、負債が増えて、将来は増税につながるのではないかという印象を持たれてしまうかもしれませんね。米国でも財政政策で(国民に支給した)クーポンは消費に回らずに、貯蓄に回っています。やはり金融政策の方がダイナミックです。

 潜在的なGDPの成長率が1%ですが、もっと生産性が高まらないといけません。財政赤字、それに人口減少の問題もありますからね。また、今は国民の頭の中がデフレというふうに考え過ぎているのもいけないのかもしれません。インフレ率が0%なら、デフレでもそれほど悪くはないはずですから。

 いずれにせよ、中央銀行の仕事は通貨政策を行うこと。そして、デフレ、インフレにしない、大恐慌にしない、ある特定の企業に投資しないということが大切です。

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