「財界のアントニオ猪木」に対して、外部からは「元気ですか~」という声が上がっている。
財界のアントニオ猪木とは、京都セラミック創業者で経営再建中の日本航空(JAL)の会長である稲盛和夫氏のこと。当人たちに面識があるかどうかはわからないが、「燃える闘魂」というあまりにも有名なフレーズを2人とも使っているのだ。稲盛氏は、自身が説く経営の心得を記した「経営十ニケ条」の中に次のような言葉を入れている。
「燃える闘魂 経営にはいかなる格闘技にもまさる激しい闘争心が必要」
どちらが元祖かは他の機会に譲るとして、哲学なき経営観を嫌う稲盛氏らしい。こうした自身の哲学を社員に共有させるために、哲学の冊子や著書を読ませるなど徹底したという。いい意味でエゲつないくらいに徹底した教育のおかげか、現在の京セラの繁栄ぶりは言うまでもない。
しかし、JAL会長に転じてからは、いくら高齢で無給とは言えども週3回程度の出勤。長らく独特の文化を醸成してきたJALに、厳しい闘魂哲学を植え付けることは無理に等しいのではないだろうか。
先日は鳩山由紀夫首相に「経営感覚のある人がいない」「これで会社なのか」などと批判したという。秋までには単月黒字を目指すというが、イマイチ闘魂を感じることができない今の稲盛氏に果たしてそれができるだろうか?