「ひとりぼっちの部屋って好きじゃない」
首都圏有名私立中学に合格した子どもがいる約200世帯の住環境を調査した、四十万(しじま)靖氏の話を前回お送りしましたが、その『頭のよい子が育つ家』の実例を紹介します。今回は慶応義塾中等部に合格したCさんのご家庭です。
イラスト/大川陽子氏『頭のよい子が育つ家』(日経BP社)より
◆慶應義塾中等部に合格したCくんの家
東京の城南地区にある新築2階建て一軒家、5LDKのお宅です。家族構成は父、母、兄、Cくんの4人家族。両親は新築を機に、中学受験を控えたCくんに、2階南側の1等地を勉強部屋として与えました。
ところがCくんは、親の意に反して、子ども部屋ではまったく勉強しようとしません。Cくんに訊ねると、「自分の部屋をもらって初めてわかったんだけど、ひとりぼっちの部屋って、あんまり好きじゃない」「なんだか落ち着かない。ひとりだとかえって勉強にも読書にも集中できないんだ」