上海・北京が急成長、世界富裕都市ランキング2010

NYは経済力は高いが、他都市に比べ生活水準が低い


 昨年1位のロンドンを抜き、今年はニューヨークが世界で最も富裕な都市となった。ロンドンは金融危機で打撃を受け財政赤字が膨れ上がり、財政再建策を講ずるも景気回復が遅れている。1位と2位は逆転したものの、ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京という上位4都市の顔ぶれは前年と変わらなかった。

 1位のニューヨークは経済力と研究・教育力では最高点となったが、政治的影響力は2位、生活水準は9位と低かった。また政治的影響力の1位はワシントン、生活水準の1位はパリだった。生活水準ではベルリンが昨年の5位から2位へと大きくランクアップしている。

中国都市が急成長、上海は住宅価格が52%もアップ

 今年最も際立ったのは、アジアの都市、特に中国の都市がランキングを急上昇させたことだ。上海は経済力で昨年の8位から7位に上昇、北京は政治的影響力でロンドンやパリ、東京を抜き、昨年の7位から4位へと急成長し、成長率の高さを見せつけた。北京は2008年の北京オリンピックで国際都市としての地位を確立したことも大きいが、中国国内でも政治、金融、貿易、メディアなど全ての要素でその地位が高まっており、上海や香港に劣らない影響力をもつようになったと報告されている。

 またナイトフランクの世界56地点の高級住宅を対象にした値上がり率の調査では、上海は2009年12月までの12ヶ月間で高級住宅の値段が52%も上昇、北京も47%価格が上昇しており、世界最大の上昇率だったことがわかった。急激な価格上昇を受け、現在上海市は住宅の価格上昇を抑制するために不動産税徴収を検討しているとされ、不動産投資家に影響が出る可能性がある。


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