生活費に困窮し貧しかったと伝えられるオーストリア出身の作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791年)が、実は高給取りで浪費家だったという研究結果が発表された。海外メディアが報じた。
24人の研究者から成る国際的モーツァルト研究チームが、約5年間にわたる緻密な調査によって、モーツァルトの晩年の財政状況を明らかにした。研究チームはオーストリアや各国で可能な限りのモーツァルトの財源を調査。その結果、モーツァルトは現在の金額に換算すると年収約15万ユーロ(約1900万円)であり、年収の約17%を貴族的ライフスタイルを維持するために浪費していたことがわかった。
モーツァルトが住んでいたのは、7つの部屋がある快適なアパートで、2頭の馬のための厩舎がついていた。シャンパンなどの酒や贅沢な食事に年収の約17%を使い、貴族のような享楽的生活を好んだという。
モーツァルトの先輩である作曲家ジョセフ・ハイドンの1790年の年収は約6万ユーロ(約760万円)で、また当時の大学教授の年収が約9000ユーロ(約115万円)だったことからも、モーツァルトが飛び抜けた高年収だったことがわかる。研究チームは「モーツァルトは貧しいわけではなかった。音楽史上の認識を改めるべき」としている。