日本でも人気を博したアニメ「アルプスの少女ハイジ」の原作で、スイスの童話作家ヨハンナ・スピリ氏が書いた「ハイジ」(1880年)が、その約50年前に書かれた別の作品に酷似しているとドイツの研究者が指摘し、盗作騒動が話題となっている。
スピリ氏の作品は、これまで総じて、幼少時にスイス・グラウビュンデン州のクールの周りで夏を過ごした体験が、小説のルーツになっていると言われてきた。
しかし、今回騒動に発展するきっかけとなったのは、ドイツで研究活動をする文学者、ペーター・ビュトナー氏(30)の指摘。偶然1830年ごろにドイツ人作家が出版した「アルプスの少女アデレード」という童話本を発見したそうだ。
一般には、この作品はほとんど知られていないが、ハイジは一般的に女性の名前アデレードの愛称として使われることがある上に、設定や、ストーリー展開、さらには、使われている文章がそっくりだという。