2000年以来、米大学における日本人学生数が減り続け、学部生の数が52%減少、大学院生の数が27%減少したことがわかった。昨秋、ハーバード大学の学部に入学した日本人はたった1人で、同大の日本人数はこの15年間減り続けている。ワシントン・ポスト紙が報じた。
日本人が減少する一方、中国・韓国・インドからの留学生は倍以上に増えている。米国の中国人学生数は過去10年間で164%、インド人学生は190%に増加した。同紙は日本人減少の理由を「学生の安定志向が高まり、冒険心が薄れたため」とし、日本は「草食動物(grass-eater)の国」に衰退してしまったとしている。
ハーバード大学学長のドリュー・ギルピン・ファウスト氏も同紙のインタビューに対し、先月の訪日時の感想を「日本の学生や教師は海外で冒険するより、快適な国内にいることを好む傾向があるように感じた」と語ったという。
日本人減少の原因の1つは、経済状況の悪化だ。1970年代・80年代は日本は景気が良く、若者は積極的に海外留学したが、90年代のバブル崩壊後は両親の経済状況が悪化し、海外に出る余裕がない家庭が増えた。
もう1つの原因として、少子化により大学に入りやすくなったことがある。90年代から200以上の大学が国内に新設され、わざわざ海外で苦労するよりも身近な教育で満足する人が多くなった。加えて、日本企業は海外で教育を受けた日本人を高慢だとして好まない性質があり、それも若者が海外に出たがらない1つの要因になっている。