リッツに何日か滞在した後は、モンパルナスからレンヌに向かい、レンヌよりモンサンミッシェルへ向かいました。
モンサンミッシェルというのは夜間になると外門が閉じられてしまう鷹の巣城型の遺跡で、天使ミカエルのお告げにより修道士が建造した神秘の世界遺産です。満ち潮になれば遺跡は海に囲まれ、引き潮になると浜地が出現して、様々な表情をみせてくれます。
宿泊は赤い箱のガレットやオムレツで有名な、la mere poulard に滞在しました。プレステージュスイートの窓からは、モンサンミッシェルの正面がみえまして、日帰り観光で急ぎ足の人達をぼんやりと眺めていました。一階のレストランにおりて行く螺旋階段には、隙間無く著名人のサインが敷き詰められ、ごく少ないですが日本人のサインと写真も飾ってありました。
日帰り観光客が帰るのを待ち、遺跡というか修道院を散策しました。こちらの修道院はパリ市内の教会と全く異なり、とても地味で美しいたたずまい。
回廊やホールは空から降ってきたような不思議な作りです。何百年も前にこんなすばらしい物をこのような辺境に人間が作り上げていたと思うと人智に敬服したくなります。(たまに真剣に考え事をする瞬間がこういうときだったりする。)
さて、モンサンミッシェル内ではレストランがメインストリートに並んでいてクレープやらキャラメルやら食べつつ散策をし、夕飯と朝飯と翌日の昼は、le mere poulardにていただきました。
夕飯には、牡蠣やら名物オムレツ、ブルターニュの鹿肉。それにシードルをいただきました。牡蠣は余韻の長い岩塩味がよかったです。
オムレツは枕みたいに大きかったです。卵は、フツーのオムレツより念入りに泡立ててありました。モコモコした不思議な感じでした。
デザートはクレームブリュレをいただきましたが、卵のせいか濃厚で美味しかったです。
朝はビュッフェだったのですが、おもむろに盛られている果物かごの中に、洋梨とリンゴを発見。すぐに捕まえて手元のナイフで剥きました。これがとても美味しかったです。
リンゴは酸っぱかったですが、洋梨は日本の洋梨の比ではなく、甘くて、実も柔らかくて、かごの中にあったものは全部食べてしまいました。笑。リンゴジュースを飲みながら、リンゴと洋梨を沢山食べた朝。
それから、もう一度頂上付近の修道院へ行き、ぶらりとしたあと(カップルが物陰で濃厚なチューをしているのを何件か横目にしながらも、足早に通り去りました。)また宿に戻ってお昼をとりました。
お昼は、魚介のマリネ、鶏肉のブルターニュ風、リンゴのタルトとカルバドスのアイスクリームでした。鶏肉のブルターニュ風は、鶏肉にキノコといためたバターのソースがこっくりしてて美味です。何となく、大きな包丁でダイナミックにブッタ切られた鶏も野性味があって美味しかったです。
あっという間に時は過ぎて、パリに帰る時がやってきました。
バスの窓越しに遠くなってくモンサンミッシェルは、新しい観光客で再び溢れかえっていました。