富士通が元社長に反論、法的措置で対抗も

 富士通の野副州旦元社長が地位保全などを求めた件で、富士通は14日、密室で辞任を迫ったという事実はない、とする見解を発表した。また、元社長に対して法的措置も検討していることも示唆し、両者による因縁の前面戦争になる可能性も出てきた。

 野副氏が横浜地裁川崎支部に申し立てていた「取締役の地位保全の仮処分」が、野副氏側から取り下げられた。これを機に、これまで沈黙を守ってきた富士通だったが、今までの経緯と見解を説明した。

 事の経緯は、野副氏がニフティ売却に絡んで取引しようとした企業が社会的にふさわしくないと判断されたために、降板を迫られたというものだ。しかし、当初は辞任の理由を病気のためと虚偽の発表をするなど不可解な部分が多く、上場企業の在り方として問題視されていた。

 さらに、野副氏が今年2月に辞任取り消しを求めると、同社は相談役から解任。その後、野副氏は同社の役員2人に対し、会社に損害を与えたとして損害賠償を求める株主代表訴訟を起こす方針を表明し、事はさらに大きくなっていった。

 だが、野副氏の主張するような密室で辞任を迫ったことはなく、取締役会で決定したとし、またそれら資料について「地位保全の裁判において、証拠として裁判所に提出しています。これらの全てを見て、野副氏の辞任が詐欺や強迫などによるものであったかを判断できる状態でした」としている。

 また、問題の発端となった、野副氏が進めようとしていたニフティ売却については、社内で決定した事項ではなかった、とも反論した。

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