アートフェアー東京へ~アートバブル崩壊後に残ったものは?

 前回コラムで書いたアートフェアー。ここ数年ではアートフェアーも東京に根付き、現在日本国内で一番大きなアートフェアーといわれるアートフェアー東京に今年も行ってきた。一昨年前までは神楽坂のアグネスホテルを貸しきってのアートアグネスも好評だったが2009年1月で終了。ちょうどリーマンショックの後に終了してしまったので最後の年のアートアグネスはそれ以前のアートフェアーに比べると、ちょっとした寂寥感は否めなかった。


 昨年はアートフェアー東京の時期身体を壊してしまっていて行けなかったので2年ぶりとなる今回のアートフェアーが楽しみだった。というよりアートバブルが弾けた後のアートフェアー東京がどう変わっていったかという事に興味もあったのだ。

 今回のアートフェアーは4月1日が招待者やプレスを招いたファーストチョイスで4月の2日~4日まで開催されていた。今年は筆者のスケジュールの関係で4月3日土曜に初めて休日に行ったのだが、まず入場するのに並ばされたのには驚きだった。今年のアートフェアー東京の全来場者数は昨年より一万五千人多い六万人とアートバブル崩壊もなんのそのの大盛況だった。

 アートフェアーの何といっても面白いところは、一箇所で多くのギャラリーを見てまわれるところ。普段は東京や各都市に散らばっているギャラリーや古美術商などもこの日はいっぺんに見てまわることが出来る。そしてこれはアートフェアー東京の特色なのだが、古美術品から現代アートや陶磁器まであらゆる分野の物がそろっており多種多様に富んでいるところである。例えば今回のアートフェアーでいえば、葛飾北斎の屏風や竹久夢二の掛軸もあればピカソの版画もあるし奈良美智の作品もある。かと思えばまだそんなに名前も知られていないこれから売り出し中の若手作家の作品も扱っており、とにかく範囲が広い。価格も数千円のものから何千万までと幅広い。



 そしてアートフェアーには、出展しているギャラリーや古美術商なども目玉の作品を持ってくる事が多く、日頃から馴染みのあるギャラリーや古美術商などでも普段では見る事が出来ない大作を見る事が出来るので純粋に作品鑑賞としても楽しめるのだ。

 だが基本的にアートフェアーは作品を売る為の場であるので、アートバブルが弾けた後作品の売り上げはどうか、価格はどう推移しているのかという事が気になった。

 まず一昨年のアートバブルについていえるのは、現代アートの人気が高まり価格が一気に上昇した。アートバブルが弾けた本年などは、やはり現代アートの価格は下がっており、以前だったら即売約済みになったであろう人気現代アートの作家の作品などもまだ売れ残っていたりしていた。ここにアートバブルの残骸を垣間見た気がする。

 それにひきかえ日本の古美術や西洋の近代の作家の価格の変動はそう見られなかった。やはり時を経てもなお素晴らしいと思える作品は価値も価格も安定しているかもしれない。

 現代作家でも、やはり実力がある作家はこのご時勢でも多くの作品が売約済みであった。

 アートバブルが弾けた今、それでもなお生き残る作家は本物だ。それはアートバブルの時でもトレンドに流されることはせず自分のスタイルを追求してきた結果であろう。

 これからの新しい時代の幕開けにどう彼等が成長していくか楽しみだ。アートバブルが弾け、本当に良質なものが適正価格で購入できるようになった現在の方が真のアート好きには良い時代になってきたのである。

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