金融危機も影響なし? 欧米富裕層が好むワイン投資の魅力【1】

欧米富裕層に人気のワイン投資とは?


 米ワイン経済学会(American Association of Wine Economists)で今年3月、スイスの経済学者2人が、ワイン投資は米株式指数のラッセル3000種指数よりも高いリターンが得られたというレポートを発表しました。ワイン投資は世界的金融危機でもそれほど影響を受けず、富裕層の分散投資先としては理想的だといいます。

 欧米の富裕層には古くから浸透していますが、日本人にはあまり馴染みのないワイン投資。ワイン投資とはどのようなもので、そのメリットとデメリットは何なのでしょうか?

投資ポートフォリオにワインを組み込んでリスク軽減

 米ワイン経済学会でこのレポートを発表をしたのは、ローザンヌ・ホテル・スクールのフィリップ・マセット氏とフリブール大学のジャン・フィリップ・ワイスコフ氏。

 2人は1996年から2009年までに米国で開催された、計144回のワインオークションの落札価格を調査しました。またワインの値動きを示したゼネラル・ワイン指数とラッセル3000種指数を比較。その結果によると、ラッセル指数は2001-2003年の間に下落したものの、ゼネラル・ワイン指数は着実に上昇し続けたことが判明。2008年中頃から2009年前半、ラッセル指数は47%下落した一方、ワイン指数は17%の減少に止まりました。金融危機の最中、多くの金融資産は大打撃を受けて減少しましたが、ワインは最小限の影響しか受けなかったのです。

 マセット氏とワイスコフ氏は、「高級ワインは飲んで楽しむだけでなく、投資ポートフォリオに組み込めば、収益が増える上に財政的リスクも軽減してくれる」としています。ワインは不安定な金融市場と直接関わりがないため、不況に強みを発揮する投資先と考えられています。


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