金融危機も影響なし? 欧米富裕層が好むワイン投資の魅力【1】

樽熟成期間に行う先物取引「プリムール」

 ワイン投資の方法は、自分でワインを購入し価格高騰後にオークションなどで販売するという方法と、ワイン投資ファンドを購入するという間接的投資方法があります。どちらも、樽熟成期間にワインを買い付ける「プリムール」という先物取引がメインです。プリムールとはフランス語で新酒という意味です。

 ボルドーワインは通常、ブドウの収穫から約2年~3年の熟成期間を経て出荷されます。しかし売却できるまで2年近く利益が入らないことになると、シャトーは次のワインの生産体制に入れません。そこで各シャトーはこの熟成期間に、ファースト、セカンドと何回かに分けてプリムールとして樽の状態でワインを販売し、次のワイン生産のための資金調達をするのです。

 ワインはブドウ収穫の翌年4月に初値がつきます。毎年4月にシャトーのオーナー、ワイン評論家、ソムリエ、地域の生産者などワインのプロフェッショナルが集まり、各シャトーでワインを試飲し、ワインの値段を決めていきます。もちろんその時点ではワインの味はまだ若く、完成していない状態です。そこから数年後の味の可能性と将来性を予測して価格をつけていきます。

 ワインのプロによる試飲の数週間後、世界で最も有名な米ワイン評論家ロバート・パーカー氏のパーカー・ポイントが発表されます。そこで高く評価されたワインは初値の段階から高値に設定され、将来性も高いと期待されるのです。

【2】につづく


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