吉野家が反論「吉野家は儲かっている」

 牛丼チェーンなどを展開する吉野家ホールディングスはこのたび、「昨今の一部報道機関の報道について」として、メディアの「負け組」論調に反論した。

 昨今「すき家」「なか卵」のゼンショーを「勝ち組」とし、一方で「吉野家」を「負け組」とする報道が目立つ牛丼業界。吉野家の2010年2月期の最終損益が89億円の赤字となり過去最悪に。ある意味で負けていることは確かだが、多くの問い合わせが来たために、あらためて説明したいということのようだ。

 まずは、株式会社吉野家単体の2010年2月期の業績を提示。売上高904億6000万円、経常利益 20億7300万円。この数字をもって次のように説明する。

 「株式会社吉野家ホールディングスの2010年2月期の赤字決算は、主に株式会社吉野家以外の関連子会社の業績によるところが大きかったにも拘らず、吉野家が赤字の主因のように受け止めている方が多かったので、皆様にはご理解いただきたいと思います」

 つまり、牛丼店の吉野家自体は儲かっているが、他の関連会社が原因だ、ということを強く言いたいようだ。また、吉野家の4月の1店舗あたりの営業実績平均売上高は760万円(月あたり)で、セールでも効果は大きかったようだ。次のように反論する。

 「4月のセールにつきましても『効果が薄かった』という内容の記事がありましたが、セール期間中の入客数は前週比平均で203.8%でした。また、先月の営業実績は下記の通りでした。因みに、売上高についても勝ち負けで敗者のごとき論評ですが、少なくともこれまで吉野家が劣ったことはありません」

 吉野家は1980年に倒産。しかし、大人気漫画「キン肉マン」の主人公が牛丼を食べたことも一つのきっかけとなって牛丼が国民食にもなり、吉野家は息を吹き返した。

 だが、出版サイドが2008年に、キン肉マンの誕生29周年でキャンペーンの協力を吉野家に打診したところ、断られてしまった。ここで手を挙げたのが、「すき家」「なか卵」のゼンショー。原作者ゆでたまごの嶋田隆司さんは一時は、ファンからは「金で寝返った」とも言われたがそうではなく、こうした事情があったそうだ。

 この一件から、キン肉マンのファンが、吉野家離れを起こしたとも語られるようになった。事実、これで離れたファンもいるにはいたようだ。

 現状、吉野家とすき家の並盛の価格はすき家の方が安い。各メディアは原因を探すものの、大別すると正統派が価格戦略の差。そしてオカルト派がキン肉マンの呪い? としているようだ。

 また株価でもセンショーはほぼ右肩上がりなのに対して、吉野家は横ばい、もしくは下げ基調。投資家の判断はゼンショーを支持している。

 さて、今回の吉野家の反論、牛丼ファンはどのように受け取るだろうか。

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