ワイン投資のメリットとデメリット
前回の記事でワイン投資の概要を紹介しましたが(金融危機も影響なし? 欧米富裕層が好むワイン投資の魅力【1】)、では、ワイン投資のメリットとデメリットとは何なのでしょうか。
ワイン投資の大きなメリットとしては、ワインは年数を経て熟成するほどに味が深みを増し価値が高まり、値下がりしないということがあります。プリムールで買い付けた樽のワインが思ったように魅力が開花しなかった、1年後に予想より良くない出来になったということはあり得ますが、一度瓶詰めされて一定の価値を定められたワインは、その後価値が下がることはありません。金融商品と異なり現物があるため、最悪でも価値がゼロになることはないという安心感があります。
また各シャトーのワイン生産量は毎年一定数に限られているため、年数が経てば経つほど、市場に出回るワインの本数は減少します。当然それに伴い価格は上昇し、数十年の熟成を経たプレミアムワインと呼ばれる希少ワインは高額取引され、オークションで数百万円で落札されることもあります。
近年香港のワインオークションが大盛況ですが、これは中国の富裕層がワインを投資先の1つとして認知するようになったためです。2009年のサザビーズ香港オークションのワイン総売上は、1430万ドル(約12億7000万円)でニューヨークの1270万ドルを上回りました。昨年10月に香港で開催されたオークションでは、1982年のシャトー・ペトリュスが9万3077ドル(約860万円)で落札されています。
もう1つのメリットは、他の投資とは異なり経済との連動性が低く、景気に左右されにくいということです。世界的金融危機の最中に多くの金融資産は打撃を受けましたが、ワインは最小限の影響しか受けませんでした。例え現在不況だったとしても、数年・数十年経つうちに、また好景気が巡ってきます。それまでワインを熟成させてタイミングを見て販売すればよく、長期にわたって育てる安定した投資先と言えます。
では、ワイン投資のデメリットは何でしょうか。