中国で「ニンニク長者」続出中

 中国最大のニンニクの産地山東省済寧市金郷県では、去年からのニンニクの高騰で、大金を手に入れた人が続出している。「ニンニク長者」の中には、1億円以上荒稼ぎした人もいるという。今、金郷では一日のうちにマイカーが40台も売れる。しかも、現金での一括払いだ。

 中国では去年からニンニクの値段が高騰し続けている。500グラムあたり0.04元(約0.5円)だった卸値が4元(約54円)と100倍も値を上げた。最も高い時は6元(約82円)にまで釣り上り、中国の消費者は豚肉よりも高くなったと音を上げている。

 ニンニク値上がりの原因は、金融危機にある。この影響で価格が暴落し農家は作付けを減らしたのだ。これに追い打ちをかけるように、天候不順で収穫自体も減少。しかし、鳥インフルエンザ対策に有効とのうわさが広がり、需要が一気に高まったという。

 さらに、ほかの地域で株や不動産の取引で大儲けした商人たちが、次の投資対象としてニンニクに目を付けた。農家から大量にニンニクを買い占めた後、これを冷凍保存しておき値段を釣り上げるのを待って転売しているのだ。ある商売人は去年8000万元分(約10億4000万円)を買い占め、冷凍保存しておいたという。その当時の価格は500グラムあたり1.5元(約19円)だったから、4元で売り出したとすれば、1億円以上を手にした計算になる。

 また、農民のニンニク畑ごと管理を始める商人も現れた。始め、1畝あたりの値段は2800元だったが、今では最高で5000元、平均でも4000元にまで値上がりした。こうした畑は、金郷県全体の畑のうち10%から15%を占める。

 ニンニクバブルに沸く中国だが、同じように最近、「緑豆」も値上がりが続いているという。緑豆といえば、日本のスーパーで安売りされている “もやし”の原料。中国の野菜バブルは、日本にも影響を及ぼしそうだ。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる