ブランドは値段ではなく価値と満足度
一般的に、ブランドとは値段が高いか安いかで判断されているようだが、実際は違う。値段さえ高ければブランドということではない。
「モノは値段でランク付けするわけではありません。金額に見合った満足度があるかどうかなんです。例えばユニクロだって素晴らしいブランドです。縫製、デザインに優れて、おまけに低価格です。わたしも持っていますが、価格以上の満足度、つまりバリューがあるからブランド価値が高まったのです。売れないモノのは何かというと、中途半端で顧客満足度の低いなモノではないでしょうか」
グッチをラグジュアリーブランドとするなら、ユニクロは低価格&高機能のファストファッションブランドと言えよう。つまり消費者が満足して認められたからこそ、ブランドになったということだ。
「デフレ経済の中で、安売り合戦を続けて行くと、体力を消耗していくだけでなくブランド価値が低くなっていきます。大切なのは消費者の満足度です」
市場では、少し前に低価格ジーンズ競走が起きた。しかし、その後はヒットしているというニュースを聞くことがない。他には、中道を行くレナウンは再建を自力で進めることができず中国企業と資本提携した。やはり、消費者が求めるしっかりとブランド構築に成功した企業が勝ち残っていくということだ。
また、インターネットによる販路開拓もあり、これからブランドにとっては大きなチャンスが広がっており、前途は明るいと見られる。ただし、日本においては、一つだけ懸念があるというのだ。