大富豪に八つ当たりするのは国家損失

富裕層がやり玉に

 まずは国内の投資環境が整っていないことが上げられる。市場の法整備がまだまだ進んでいない上、民間の資本が入るルートは制限されているのが現状だ。また、貧富の差の拡大も大きな問題を生んでいる。

 格差が大きくなるにつれて「富む」事が悪いこと、さらには「恨み」の対象としても見られ、富裕層を狙った犯罪も多発している。お金持ちにとって現在の中国社会は針のむしろにいるような状況だ。

 いかにして自分自身の生命と財産を守るのか、が大きな問題の一つだ。。

 富裕層は中国社会の中で板挟みの存在。大多数は、公権力との結託なしでは発展していなかった。一方で様々な場面で「権力」と「制度」が発展の天井板になり、公平な競争ができずに苦しんでいる面もある。つまり、中国社会の「腐敗」と「富裕」は幾重にも重なり合っているのだ。

 こうした現実から、富裕層は貧しい人々から恨みの対象となる。一旦社会の矛盾が激化すると、富裕層は行政に対する不満のはけ口となってしまったのだ。

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