仕事はツール? 人生?
田中伸一氏の自宅からの眺望
この城の主は、40歳でCFOとしてグッチ日本法人に入社し、後にグループ社長にも就任したが、52歳の若さで惜しまれながらも自ら退社する道を選んだ田中伸一氏。日本ではまだ浸透していないライフスタイルであるアーリーリタイアメントを体現する人物でもある。
「今は慶応や青学で時々、講義やセミナーをすることもありますが、グッチ時代には止めていたゴルフやドライブ、会食などをね。あとは、友人や家族との時間を満喫していますよ」
きっかけは、35歳のころに「伊勢丹」で米国勤務を経験した際に、取引先のインベストメントバンカーたちから影響を受けたことだった。彼らは40歳でリタイアすることを目標に昼夜を問わずに働き続ける。そんな環境に身を置き、自分自身と向き合っていく中で、50歳でのアーリーリタイアメントを目標にすることを心に誓ったのだという。
「つまり、仕事を幸せになるためのツールと考えるか、人生そのものと考えるかの違いなのです」
「YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)」の読者のみなさんは、どちらの考え方を支持するだろうか。今回は、アーリーリタイアメントを体現している田中さんに語ってもらい、現役富裕層世代へ考えるきっかけとしてもらえればと思う。