相続税4000億円が免除になる大富豪

 今年3月病気のため亡くなった米大富豪のダン・ダンカン氏(享年77歳)が、米国史上初めて相続税ゼロのビリオネアになる、とNYタイムズが報道した。約4000億円分相当の税金が免除されることになる。

 ダンカン氏は、わずかな元手とトラック2台から事業を興しパイプライン会社エンタープロダクツ社などを保有する大富豪に上り詰めた立身出世のエピソードは、今でもよく語り継がれる。資産は、フォーブスによると90億ドルで、世界で74位の大富豪にあたる。古き良きアメリカンドリームの体現者でもある。

 そのダンカン氏には4人の子供と孫がいるが、相続税が掛らないのだと、米紙NYタイムズなどが報じている。現在の連邦税は少なくとも45%になるが、2011からは55%以上になる予定。その猶予期間として、米議会は2010年までは、相続税を免除する決定をしているからだという。

 NYタイムズによれば、現行の税制がスタートした1916年以降では、1937年にデビッド・ロックフェラー氏が死去した際には資産に対して70%の税金がかかったという。

 ダンカン氏は1933年に米テキサス州に生を受け、幼い時に母親を亡くして父に育てられた。陸軍で従事した後に、石油会社で実務を学び、その後起業した。地元への愛着も強く、テキサス州ではダンカンさんが巨額の資金を提供してできた病院も複数あり、現在でも小児病院を建設中だという。

 地元テキサスでも深く愛されていた大富豪の税が免除になっても、誰も恨む人はいないだろう。


ダン・ダンカン氏(左)

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