前半はこちら→「ハーバード大学の日本人数激減」の意外な真相【1】
米国の日本人留学生減少とその理由
今年のハーバード大学、イェール大学の合格者数は過去最高でした。その背景には海外大学進学塾「RouteH(ルートH)」や、米国の大学の積極勧誘の効果がありました。しかし前回の記事で述べたように、米国の大学には根本的に日本人学生が少ないのが現状です。では、日本人留学生は過去と比較してどの程度減り、また他国と比較してどのような違いがあるのでしょうか。
ハーバードの日本人は18年で6割に減少
1992年度(92~93年)から2008年度(08~09年)のハーバード大学における日本、中国、韓国の3カ国の学生数は以下の通りです。これは学部と大学院を合わせた数字ですが、18年間で日本が174人から107人と約6割に減少しているのに対し、中国は約1.8倍、韓国は約2.5倍に増加しています。
【ハーバード大学の学部と大学院の生徒数】
1992~93年度 → 2008~09年度
日本人:174人 → 107人
中国人:231人 → 421人
韓国人:123人 → 305人
さらにこのうち、2008年~2009年の学部生の割合は、日本人約4.6%、中国人約8.5%、韓国人約13.7%。つまり日本人は107人在籍しているといっても、そのほとんどは大学院生で、学部生は5人程度です。2009年度の学部生の人数は以下の通りで、日本人は5人。中国人はその約7倍、韓国人は約8倍で、やはり圧倒的に日本人が少ないことがわかります。
【ハーバード大学の2009年度学部生数】
日本人:5人
中国人:36人
韓国人:42人
米「Institute of International Education」(国際教育研究所)によると、米国の大学で学ぶ日本人学生数(学部・大学院)は2004~2005年度の4万2215人から年々減少を続け、2008~2009年度は前年度比-13.9%の2万9264人にまで減少しました。一方、中国は同期間に6万2523人から9万8235人、韓国は5万3358人から7万5065人に増加しています。また留学生が最も多い国はインドで、2008~2009年度の米国の総留学生数67万1616人のうち10万3260人を占めました。
では、ここ20年ほどで日本人が減少した理由は何なのでしょうか?