頭のよい子が育つ家【住まい編8】

コンセプト2 子どもの目線で家を考える


階段が本棚に
 マンションにも、戸建にもそれぞれの良さがありますが、戸建の良さは三次元空間であることだと四十万さんは言います。つまり二階建てによるメリットです。

 「子どもの目線は低いため、キッチンに立っているお母さんを見るときも見上げる目線になります。この住宅では、階段の踊り場は子どもが座れるようになっています。そこに座っていると、子どもでもお母さんと同じ目線になります。また、階段には本棚としてのスペースもあり、階段に腰掛けて本を読むこともできます」

 子どもたちが、自室以外で勉強していた場所として多かったのが実は階段や廊下だったそうです。四十万さんの調査は首都圏が中心だったため、間取りがあまり広くない家も多く、普段は通り過ぎてしまう廊下や階段という、何気ない空間が非常に重要視されていました。

 そのためこの家では、階段や2階の踊り場に本棚を設けて、本を読んだり、勉強したりできるスペースを確保しています。お母さんが料理している姿を眺めながら勉強をする、なんてこともできそうです。

 吹き抜けもこの住宅の特徴の一つ。吹き抜けを設けると延べ床が狭くなるので、通常は吹き抜けを避けることも多いのですが、採光はもちろんのこと、「家族の気配」を伝えることを大きな目的にしています。

 リビングと子ども部屋が吹き抜けでつながっていることで、1階にいる母親の気配を子どもに伝えることができて、子どもを孤立させない工夫が施されています。

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