日本人が知らない学校に世界最高の教育がある?
急速なグローバル化の影響と日本の英語教育に不満を持つ親たちの増加で、中学校や高校から海外留学を検討する子供たちが増えてきました。海外留学先を紹介する会社も増え、その気にさえなれば、世界各国の学校に進学できるというイメージが一般にも浸透しています。
しかし留学が身近になった一方、専門家によると、世界的名門校と言われる学校に実際に日本人が入学することは稀なのだといいます。また、留学会社が紹介する学校は「日本人の英語力で入学できるレベル」の学校が多く、世界の富裕層が子供を行かせたいと願う「真の名門校」はなかなか紹介しにくいのが実情だそうです。
世界の富裕層の子弟が集う「真の名門校」とはどのような学校なのでしょうか。また、日本人がそれら名門校に入学するのが難しいのはなぜなのでしょうか。今回、「YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)」は医師を本業としつつ「低年齢留学コラムニスト」として活躍する若草まやさんにインタビューしました。
若草さんの2人の娘はスイスのボーディングスクール「ラ・ガレン」に5歳・6歳から留学し、その後日本のインターナショナルスクールへ転入。そしてご主人の海外赴任を機にミドルスクールからはオーストラリアの名門ボーディングスクール「ジーロン・グラマー・スクール(Geelong Grammar School(以下GGS)」へ進学しました。
チャールズ皇太子も留学した豪名門ボーディングスクール
オーストラリアのメルボルン近郊にある、1855年創立のボーディングスクール「ジーロン・グラマー・スクール(GGS)」。厳格な英国国教会系のブリティッシュスクールで、中核となるコライオキャンパスには5年生から12年生の生徒約1500人が学んでいます。世界の王侯貴族に人気の学校で、過去には英チャールズ皇太子、タイ王室関係者、インドのガンジー一族なども在籍しました。2006年、このオーストラリア屈指の名門校に、若草さんの2人の娘は日本人留学生としては歴代最年少の5年生と6年生で入学しました。
-GGSは日本人にはほとんど知られていない学校だと思いますが、世界に数あるボーディングスクールの中で、GGSが富裕層に選ばれる理由は何でしょうか?
若草さん「GGSはハイスクールの12年生までの生徒が学んでいますが、実はミドルスクール最高学年の9年生が、この学校を世界的に有名にしています。9年生の一年間は『ティンバートッププログラム』という特別カリキュラムになり、これを受けるために世界中から富裕層の子供たちがこの学校に集まるのです。一部のヨーロッパ貴族の家系では、代々『出生届と同時にティンバートップに願書を出せ』とも言われるそうです。」
「ティンバートッププログラム」とは、一体どのようなカリキュラムなのでしょうか。