日産のゴーン氏の報酬8億9000万は高い?安い?

日本人と外国人の違い?

 企業の業績からすれば、本当に8億9000万円にふさわしいのかどうか。たとえば日産自動車の場合、今期は無配。それにも関らずゴーン氏は「業績や個人の実績、他の企業との比較で決めた。グローバル企業のCEO(最高経営責任者)報酬額の平均に比べ低い」と株主に説明した。

 ソニーはEPS(1株あたり利益)がマイナス、また株価も金融危機以前の水準まで戻る気配は見えてこない。ストリンガー氏の高額報酬は、説得力に欠けるかもしれない。

 これは、日本人経営者と外国人経営者の「常識」の違いと片付けるしかないのだろうか。もっとも日本人経営者でも業績が良ければ、さらに多額の報酬を受け取っても何ら問題はないだろう。

 ただし、日産、ソニーのような雇われ経営者ではなく、創業経営者の場合は事情が違う。大株主でもあり配当収入が報酬以上に巨額になる。例えばソフトバンクの孫正義社長は報酬1億8000万円に対して、配当は約11億円になっていた。

 亀井氏はかつて「国会議員だってやっている」「それに見合う仕事をしている人は堂々と胸を張ればいい。そうでない人は下げればいいだけ」などということを語っていた。1億円という基準自体がハッキリしない。また、国会議員は自分名義にしなければ公開義務はない。そうした点も財界から不満が出る理由となっているのではないか。

 ただ、少なくともこれだけは言えるだろう。株主が納得できる金額の算定方法を示すことができるかどうかである、と。

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