今年は「金」より「銀」 投資家、58%超の上昇予想

 金と銀の価格差が過去13年で最大となっていることから、銀が今年、1979年以降で最高の年間リターン(投資収益率)を上げるとの見方が投資家の間で強まっている。

 フジサンケイビジネスアイによると、米政府が巨額の景気刺激策を打ち出したため、米国債が下落するとの懸念が広がっている。S&P500種株価指数が過去1年間で47%下落するなか、資産運用会社は貴金属の購入を進めている。貴金属調査会社、英GFMSのフィリップ・クラプウィジク会長は、金相場が今年25%上げ、銀相場は58%上昇し1オンス当たり18ドル(約1750円)になると予想している。

 ハンティントン・アセット・アドバイザーズで総額155億ドルの資産運用に携わるピーター・ソレンティーノ氏は「銀相場はうまく連動して上昇するだろう」と予想。「価値の保存を目指して投資家らは貴金属に逃避している。銀相場は出遅れたが急速に追い上げている。ただ、依然としてパフォーマンスの差はある」との見ている。

 デルタ・グローバル・アドバイザーズ(カリフォルニア州)で10億ドル相当の運用を手掛けるチップ・ハンロン社長は「銀相場は最近上昇を始めたばかりで、まだ高騰していない。金相場がさらに上昇すれば、心理的に金を購入するのが困難になってくる。そのため、人々は銀に目を向ける」との見方を示した。

 

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