ダライ・ラマが語った世界の富裕層の真実!?

 梅雨空の中、みなとみらいへ行きダライ・ラマ来日記念講演に参加してきた。さすが要人だけあり、ゲートは空港のような金属探知機と荷物チェックがあり、10時開始に向けて来た参加者の列でパシフィコ横浜は異様な雰囲気を醸し出していた。というのも、ダライ・ラマの講演に来る参加者だから、一般のコンサートの列とは違う人種だったからだ。とはいえ、僕みたいにどんな人物なのか一度この目で確かめておきたいと思った人たちも多くいたようだ。



 会場に入るとよくある簡易型の折畳み椅子がずらーっと並んでいた。これで午前の部と午後の部の朝10時から夕方4時まで座ることを想像しただけでもお尻が痛くなった。(実際に贅肉がない僕のお尻は途中で簡易椅子を拒否しだした。笑)午前の部は「縁起賛と発菩提心について」という内容だったからか、僕が並んでいてなかなか入れず途中から入ったからか、専門用語も多く、通訳の話す時間が長く感じてあまり頭に入ってこなかった。周りも同様のようで、朝早くに家を出てきているからかコックリコックリしている人達が多かった。最後は、苦しみは因をつくっている。他人を苦しめた結果、自分に戻ってくる。逆にいえば、他者にいいことをして助けていくと、自分も幸せになる。……とまとめていた。

 お昼休みになり、弁当付のチケットを購入した人は、いなりずしと太巻きのセットを受け取る列へ、他の人達はお弁当売りコーナーやパン売り場などでもまた行列していた。ヘルシーライフを送る僕はいつもスペシャルドリンクのグリーンスムージーとワイフお手製のサンドを持っていくから無関係の世界だ。お尻が痛くなる椅子から離れ、パーティションがあり比較的座りやすい椅子がある穴場を見つけてそこで食べることにした。(僕は職業柄かこういった自分が心地よく感じられる場所を見つけ出すのがうまいのだ。)

 午後はチベット、台湾や韓国の僧侶による声明や、日本の僧侶による太鼓による戦国時代を思わせる激しいパフォーマンスの後、スペシャルゲストにナベサダこと渡辺貞夫氏による心が安らぐライブもあり、期待が持てそうな気がしてきた。

 「ダライラマ 共生を語る 幸せの本質 共存と共生の未来へ向けて」と題した講演が始まり、午後は慣れてきて通訳の方との連携もスムーズにいっていた。

 ダライ・ラマの世界中の富裕層の知り合いは皆、お金はあっても幸せではない状況になっている人が多いと話していた。裕福な家庭でも、十分な愛情を受けてこなかったら、クールな子供になりがちだそうだ。子供の幼少期は愛情が必要なのはわかっているけど、大きくなってくると忘れがちではないだろうかと。

 様々な問題を抱えても、狭い問題としてとらえると自分だけのことになってしまう。もっと広い視野で大きな範囲で考える。他者の役に立つことを考えてなければ、健康を維持することもできないし、逆に心の中に愛情や安定があれば、免疫力をもアップできるそうだ。僕も常日頃 You are what you eatの重要性を感じているが、You are what you thinkの影響力もかなり大きいのではないかと思っていただけに、合点するところも多かった。

 終始笑顔を絶やさず、大型画面に映し出されているにも関わらずあくびをしたりおしぼりで顔をふく姿から、飾らない人柄がみてとれた。ラストはQ&Aとして、前に二列に並んだ人たちの質問に答える時間もたっぷりとり、人前で質問をするのが苦手な日本人も並んでいたのには驚いた。大学でもこれぐらい熱心に質問してくれるといいのだが……。

 ダライ・ラマでさえ質問に対して、I don’t know. と言うことに肩の力も抜け、Don’t expect too much!というメッセージが頭の中をこだましていた。お後がよろしいようなので……今日はここまでに。

ミニコラム【プロフェッサーの呟き】

 やさしさと思いやりをもって暮らしていれば、血圧も下がりストレスもなくなるそうだ。心の中における幸せは肉体面にも大きな影響を及ぼし健康にもなれると。医者や教師は利他の立場にあるものだと再認識したが、どちらも激務でそのことを忘れがちになってはいないだろうか。心の平安は一生のテーマだからこそ、これだけの老若男女が集まったのだろう。

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