世界的エリート養成校、名門ボーディングスクールへ進学する方法【3】

ボーディングスクール人脈に日本人は入れるか?

―日本ではボーディングスクールがどういう学校か、きちんと知っている人は非常に少ないと思います。しかし教育の1つの選択肢として、今後もっと認知度が高まっていくといいですね。

「そうですね。実は、私がボーディングスクール留学に関する情報を積極的に発信しているのは、『自分の子どもがやってみてすごく良かったから』という以外に、もう1つ理由があります。 スイスのボーディングスクールの校長先生が、ある日生徒に向かって、『君たち皆が30年後に集まれば、世界中で、いいことも悪いことも、やる気になれば何でもできるんだよ』とおっしゃいました。このセリフこそが、ボーディングスクールの特殊性を示しています。

ボーディングスクールで培われる絆は、とても固いのです。『同じ釜の飯』を食べた仲間としての結びつきが、後々までずっと残っていきます。 世界の主をなす国々から生徒が集まり『同じ釜の飯』の仲間となって多感な時期を共に過ごした歴史を、欧米のボーディングスクールでは連綿と繰り返してきました。その中に、これまで日本人はあまり混じっていなかった。彼らが仲間として育つ過程に、日本人は関与してこなかったわけです。 実際にその生活を目の当たりにしてみると、『ボーディングスクールの人脈に、もっと日本人が加わらなければ!』という焦燥感が募ります。

『同じ釜の飯』の仲間うちに日本人がコンスタントに少しでも居れば、彼らや、彼らの両親家族にとって、日本や日本人は身近な友人として刷り込まれ、親近感を抱いてもらえるのではないでしょうか? ひいては、国際社会において、日本が存在感や発言力を増す素地へと広がっていきそうな気がして、そういった『ボーディングキッズ』が増えることは、日本が国力を保持する一助となりはしないかと考えています。」

 世界中に散らばる「同じ釜の飯」の仲間たち。世界的名門大学への切符を手に入れるのと同時に、一生涯続く友情まで手に入れることができる―――。実はそれこそが、他の学校にはないボーディングスクール最大の魅力なのかもしれません。

 若草さんは、最後に次のように締めくくりました。

「14歳と15歳になった娘たちのフェースブックを開くと、世界中にいるたくさんのお友達につながっています。これこそが、彼女たちがこれまでの学校生活の半分以上をボーディングスクールで過ごした証であり、今後の人生で彼女たちを助けてくれる宝物となってくれるであろう、と確信しています。」

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