学校図書館レポート 麻布中学校 その1 頭のよい子が育つ本棚【4】

書くことを通じて読む習慣がつく

 麻布では、中3の卒業論文で作家の作品論を書かせるため、まず本を読むことをしなければなりません。作品だけでなく、批評や資料も読む必要があります。高1になると社会科で、原稿用紙30枚ほどの文章量で、テーマを決めて論文を書かせます。その際の条件は、「必ず、2~3冊の本を読むこと」。条件をつけていなかった当初は、ネット引用が多かったために条件を設けたのだそうです。

 「入試の国語で、米国の作家のレイ・ブラッドベリなどを出題していますが、それは「文学の力」というものを考えてもらいたいという、麻布からのメッセージです。文学の力によって、感性や感受性を磨いてもらいたいと思っています」

 「入学後も読んで書く、ということを大切にしています。入学後は、課題などの強制力もあってか、わが校の場合、もちろん全員ではないですが、マンガしか読まなかった中1生が、中3の卒業論文にかけて、ぐんぐん本を読むようになります。急カーブを描いて変わってくるほどです」(氷上校長)

 次回も麻布中学・高等学校の図書館を紹介します。

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