学校図書館レポート 栄光学園中学校 その1 頭のよい子が育つ本棚【6】

学校図書館レポート 栄光学園中学校 その1


 「頭のよい子が育つ本棚」の著者・四十万(しじま)靖氏は、執筆のために「独自の読書教育を行い、成果をあげている有名中学の図書室」を10校を取材しました。その中から、麻布中学、栄光学園中学、カリタス女子中学の3校をご紹介します。蔵書や本棚など、本好きにさせるための工夫は、自宅の本棚作りにも参考になるでしょう。今回は栄光学園中学の1回目です。(注:記事の中のデータや役職は、2006年の取材当時のものです)

 読書感想文は一言コメントで
 神奈川県鎌倉市、JR大船駅から徒歩15分ほどのところに栄光学園中学校はあります。同校はカトリックのミッションスクールで、中高一貫の私立男子校。スポーツが盛んな学校として知られていますが、神奈川県でも有数の進学率を誇る名門校です。

 こちらの学校では、生徒に本を読ませるためにどのような工夫をしているのでしょうか。関根悦雄校長(2006年当時)は読書教育についてこう話してくれました。

 「書く教育には特に力を入れています。中1から国語の宿題のひとつとして読書感想文を書かせています。読書感想文と言っても原稿用紙に書かせるのではなく、簡単な一言コメントにしています」

 子どもたちの多くは、読書感想文に対するアレルギーがありますから、原稿用紙をびっしりと埋める感想文でなく、一言コメントでOKというのは、読書に対するプレッシャーを取り除く効果がありそうです。

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