“中国企業プラダ買収”の本当の目的

中国富裕層も嫌がる?「メイド・イン・チャイナ」

 ブランド品は中国人の新富裕層にとって、自分の身分や品位を表す一つツールとなっている。しかし、ある統計によると86%の中国人が“中国製”イコール“中国のデザイン”を連想し、“Made In China”の表示があるだけで商品を買う気をなくすという。プラダが「イメージが傷つく」として中国企業の株式購入を拒否しているのは仕方がないという見方だ。

 さらに最近では「本当にプラダの筆頭株主になることを目指していたのか」と当初の報道を疑問視するようなニュースも出てきている。プラダの株式の取得を進めているとされる中国企業は、上海などでアウトレットモールを展開する「上海富客斯実業(フォックスタウン)」。

 同社の会長・陸強(りく・きょう)氏は2年前から間接的にプラダの株式取得を始め、これまでに約22億円を投じてプラダ株の約13%を取得したとされる。さらに約500億円でプラダの債権者から株式を買い取る計画だったが、プラダが価格を引き上げたため、必要な資金は約670億円から約780億円になってしまった。

 そこで陸氏は追加取得が難しくなれば、保有する株式をすべて売却する考えだと報道されている。

 しかし、陸氏を知る人はこうした内容に首をかしげる。そもそも、陸氏の資金力だけではプラダの株式を取得することは不可能だというのだ。

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