“中国企業プラダ買収”の本当の目的

恐ろしきグリーンメーラー

 陸氏の経営するフォックスタウンの業績も思わしくないのだという。
 
 現在35歳の陸氏は2003年に会社を設立。上海に巨大なアウトレットモールを建設し人々の注目を集めた。しかし、2004年、スイスの“フォックスタウン”から商標権の侵害を訴えられ、2007年に敗訴している。

 この間に、上海富客斯実業の大株主は資金を引き揚げてしまった。敗訴後、陸氏は多くのベンチャーキャピタルから投資を受け、現在に至っている。知人は、陸氏は「プラダの株式購入で損することはない」と知っていたと見ている。

 つまり、欧米の企業は中国企業に偏見があり、中国企業の株式取得を知ったプラダが価格をあげた後、既に取得していた株式を売ってしまえば、筆頭株主にはなれないまでも、多くの利益を得られるというわけだ。陸氏は「今後も海外のプランド企業の株式購入の機会をうかがっていきたい」と話しているという。

 自国の悪イメージを逆手にとって利用した、まさに新手のグリーンメーラー。中国人実業家は思った以上にしたたかだ。

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