学校図書館レポート 栄光学園中学校 その2 頭のよい子が育つ本棚【7】

読書の強制による効果は一時的


栄光学園中図書館
 栄光学園の関根校長(2007年当時)に子どもがどうしたら本好きになるかを伺いました。

 「私たちの子ども時代とは違い、このごろは小学校時代にあまり本を読まないようです。そうなると、中学・高校時代に読書の習慣をつけなくてはいけません。この時期が非常に大事になってきます。本との出会いはいろいろあるかと思いますが、学園では教員のおすすめの本を『窓』という冊子で紹介しています。国語課だけでなく各教科の教員が自分で読み、生徒にも読ませたいと思う本の紹介をするものです。本だけでなく、映画紹介などもあります」

 「“夏休みは小説を2冊読んでみよう”“春休みは海外文学を読んでみよう”など、長い休みには本を読ませる指導をしています。課題を与えて読書感想文を書かせると、読書が苦痛になる生徒もいますから、読書ノートに『一言』を書かせるようにしています。だんだんと自分の頭で考えて、物事を深く見る習慣をつけてもらうのが狙いです。そのように学校側で本を読ませる仕掛けを作っていきますが、あまり強制したくはありません。読書を強制すると、一時的な効果は出るけれど、長い目で見ると自分のものにならないのではと思うからです」

 「本学園では、カトリックの教えを教育の基本に置いています。これはイエズス会の目標でもあるのです。『人は他者のために(men for others)』という言葉があります。言葉の意味を具体的に伝えるため、第2次世界大戦中にナチスに迫害されたユダヤ人の出国に尽力した杉原千畝や、マザー・テレサの伝記などを勧めています。

 伝記は生徒たちが成長する上でとても役立つと思います。子どもたちにとって成長のモデルは必要です。身近には父親、教員、もっと広く考えれば歴史上の人物、こういう人になってみたいと思うことは、大きな意味があります」

 「親御さんは『ハウツー本』に惑わされないようにしてもらいたいですね。知りたい情報、興味のある情報が簡単にわかるハウツー本は確かに便利ですが、それを鵜呑みにせず、もっと自分の知識を深めることに本を役立ててもらいたいと思っています。興味を派生させ、深化させていくことで、ものの見かたも一元的ではなくなるでしょう。読書は大人になっても一生の課題、いや、楽しみにしなければなりませんね(笑)」

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