学校図書館レポート カリタス女子中学校 その1 頭のよい子が育つ本棚【8】


カリタス女子中図書館
 「頭のよい子が育つ本棚」の著者・四十万(しじま)靖氏は、執筆のために「独自の読書教育を行い、成果をあげている有名中学の図書室」を10校取材しました。その中から、麻布中学、栄光学園中学、カリタス女子中学の3校をご紹介します。蔵書や本棚など、本好きにさせるための工夫は、自宅の本棚作りにも参考になるでしょう。今回はカリタス女子中学の1回目です。(注:記事の中のデータや役職は、2007年の取材当時のものです)

学校全体が大きな図書館

 カリタス女子中学校は、2006年に新校舎が完成しました。その際に図書館は学校の背骨、中心であると位置づけられ、その理念通り、生徒玄関を入ってすぐ、まさに校舎の真中に図書館があります。体育館を彷彿させる、天井の高い大きなスペースです。壁面全体がガラス張りになっており、誰が見ても図書館であることが一目瞭然です。

 しかし、図書館はここだけではありません。廊下をつなぐ小スペースが、各教科のメディアスペースとして機能しています。生徒たちはここで教科別に揃えられた本を読み、パソコンで調べ物をします。学校のいたるところが本でつながっているという印象です。

 「生徒たちは登校するとまず“フォワイエ”(仏語で『若者の集まるところ』の意)という玄関を通ります。そこはちょうど、ガラス張りの図書館の前に当たります。図書館が別棟ではなく校舎と一緒になっているのです。しかも学校の中心にあるということで、生徒は常に図書館を意識することになります。

 図書館を中心に置いたのは、先人から受け継いだ知的財産をどう活用するかを念頭に、活字を通じて得られる知的な世界を、生徒の生活の中で魅力あるものにしたいという願いがあったからです」(村井幹子校長)

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