生徒は教科の専用教室に移動し授業を受ける
教室もホームルームで授業を受ける従来のやり方ではなく、教科ごとに教室を割り振った『教科教室型運営方式』という新しいスタイルを採用。
教科ごとに教室をゾーン化して配置、これまでのように、それぞれのホームルームに先生が来るのではなく、生徒の方が教科の専用教室に移動します。また、教科ゾーンの中心に教科センターが設置され、そこでは常にその教科についてのさまざまな情報が発信され、生徒がいろいろな知的刺激を受けられる仕組みになっています。
「新しい教室形態になってよかったことは、教科を隔てる壁がなくなったことですね。生徒は自分から授業を受けにいくという積極性を持つようになりましたし、図書館を積極的に利用する教師も増え、各教科がいろいろなスタイルの授業に意欲的に取り組もうとしています。固定された空間の中だけで学ぶのではなく、学校を使いこなしてくれればと思っています。
新しい教室形態では、何よりも生徒自身の変化が大きいですね。表情が明るくなり、よく声を出して挨拶するようになりました。一方で、今日は一人でいたいと思っているような生徒には、みんながそっとしておく。常に移動しているので、たとえ一人でいたとしても目立たないのです。そうやって生徒たちは、いろいろなところに居場所をつくっています。
思春期の子どもですから、他人となじみにくい生徒もいます。そういう生徒も、保健室登校から図書館登校になり、教室に戻れた例もあります。今後も推移を見ていかなければいけませんが、今のところ満足している生徒が多いようです」(村井校長)