新潟で3億円を稼ぎ上京した美人姉妹【3】

ブレイクの予感


写真提供:Sugar、道端アンジェリカさん
 「こんばんは」

 ドレスを数着、手に抱えた若い女性が毎夜、キャバクラ店への営業活動に駆け回っていた。最初は門前払いを食らっていたアポなし営業も、相手にしてくれる店が現れ始めたのだ。「Sugar」のオーナー清水彩子さんのこうした地道な営業活動は、確実に人の目に留まるようになっていった。

 「ドレスをいっしょに持っていったことで、女の子(キャバクラ嬢)が興味を示してくれたりしたので、話を聞いてくれるお店も少しずつ増えていきましたね」

 また、営業活動と並行して力を入れたのがフリーペーパーへの掲載。足を使った地道な営業と媒体の相乗効果で瞬く間に、新潟市内の繁華街で、Sugarと清水さんの存在は知れ渡るようになった。そして、もうひとつ手を打った。

 新潟市の歓楽街にはヘアセットの場所がなかったのだという。夜の街の必須スポットなのに、なぜないのだろうか。「夜のお店で働く女の子たちにとって、自分たちの働く街が活性化しないのはどうか」(清水さん)と、店舗内にそのスペースを設置したのだ。その結果、女の子は自然と来店し、店内は賑やかになった。

 「ドレス選びで女の子にとって大事なことは、着た時にどれだけ、シルエットがきれいに映るか。決して見た目のデザインだけじゃないんです。値段が10万円でも買ってもらえるように、ラインや飾り付けなどを改善していきました」

 従業員を雇い、妹・けい子さんの抜けた穴を埋めながら、Sugarは1年目から黒字を達成することができたのだった。

 知られるようになれば、思わぬチャンスが巡ってくることもある。

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