宇宙旅行を予約してカリブ海へ招待された、32歳の素顔

当選から旅立ちまでの4年間

―当選してから4年間という長い期間がありましたが。

「応募したのは2005年ですからね。でもこの4年間は様々なイベントがあってあっという間でした。まず、ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長から色々なプレゼントが贈られてくるんです。ある日突然大きな箱が贈られてきて、開けてみたらスペースシップの模型だったり、宇宙旅行のポスターだったり。他には宇宙旅行者が集まるパーティーに招待されたり、開発中のスペースシップを何度か見学させてもらったりしました。2007年には訓練のために、スペースシップを開発したスケールド・コンポジット社で3日間訓練をしました。」

たった3日間の訓練でOK?


スケールド・コンポジット社で仲間と訓練に臨む
―訓練は3日間だけでいいのですか?

「宇宙飛行士が行くような本格的宇宙旅行ではないので、3日間で大丈夫です。でも初日は宇宙旅行者たちのパーティーだったので、実質は2日間ですね。2日目から6人ずつのチームに分かれて訓練を開始します。訓練以外の時間は、宇宙やスペースシップについての講義です。

スペースシップが大気圏から出る時、帰還時に大気圏に突入する時は大きな重力がかかる。それに慣れるための訓練です。狭い訓練用のスペースに1人で入り、10分間ほど6Gの重力を加えます。これを何度か繰り返して、瞬間的な重力の変化に耐える感覚を体に教え込むのです。」

―重力がかかるとどうなるのですか。

「呼吸が苦しくなって、意識が飛びそうになります。重力がかかった時に意識を失わないようにするための訓練なんです。逆に無重力になった時の訓練は特にしなかったですね。何度も合格するまでテストをするので、落ちる人はほとんどいません。私と訓練を受けた男性で、最高齢の70代の方は再テストをされていました。」

―事前のメディカルチェックは?

「心肺機能が弱い人は難しいですが、メディカルチェックもほとんどの人が問題なく通過します。年齢は18歳以上であれば制限はありません。宇宙飛行士のように厳しい審査や訓練がないので、誰でも気軽に挑戦できます。」


大気圏脱出・突入時の重力に耐えるための訓練

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